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ご存知の方も多いかもしれませんが、100年以上も信じられてきた「乳酸は疲労物質」というのはほぼ完全に否定されました。乳酸の発見は1780年だとされ、1907年に「カエルの筋を収縮させると筋中乳酸濃度が10倍に増加する。」この論文が乳酸と筋疲労との間に因果関係があるとする考えの発端になってしまったのです。しかし、エネルギー代謝との関連はほとんどわかっていませんでした。
(左図:iwanの自転車日記より)
私たちは酸素を使って呼吸をし二酸化炭素と水を放出しエネルギーを得ています。普通に日常生活を送っていれば多くの乳酸ができることはありません。(身体中あちこちに存在はしていますが)しかし激しい運動時には普通の呼吸ではエネルギーをまかなえず、解糖系という過程でピルビン酸を経て乳酸が多量にできます。そして乳酸が筋肉内に蓄積されるため、筋肉の疲労物質は乳酸であると考えられてきたのです。でも激しい運動後、多量の乳酸が蓄積された状態でもわずか数分後には、またかなりの強い運動を行うことができます。つまり、乳酸が疲労物質ではなく、強い運動時には乳酸が多量に一時的に蓄積されるというだけのことだったのです。さらに、この多量の乳酸が筋疲労の回復を早めるということが最近分かったのです。では一体この多量の乳酸はその後どうなるのでしょうか。そして筋疲労の本当の原因は何なのでしょうか?
乳酸はその後また筋肉で再利用されたり、心臓や何と脳にまで利用されるようです。それでも余った乳酸は血流に乗り肝臓に入ります。そして必要に応じて糖代謝の過程を経てエネルギー源となるのです。脳での乳酸の利用ですが、2005年に東北大とフィンランドのトゥルク大が発表した研究から、脳はブドウ糖だけではなく乳酸もエネルギー源として活用していることが分かりました。脳内の糖の消費量は運動が激しい程少なく、運動習慣のある人の糖の消費量は、運動習慣のない人の約半分に過ぎないことが証明されました。運動をすると筋肉で糖が使われてしまうので脳が糖の節約方法を覚えるようです。運動は筋肉だけではなく脳の持久力も鍛えていると言えます。
では筋疲労の本当の原因は? 実はまだはっきり分かっていません。最も有力なのはカリウムイオンが筋疲労の主役ではないかといわれています。正常な筋収縮時にはカリウムイオンが細胞外にくみ出されますが、激しい運動時にはカリウムイオンが多くくみ出され続けて筋収縮運動ができなくなるという訳です。そしてこのカリウムイオンを正常に近づけてくれるのも何と乳酸の働きだということが最近分かったということです。結局、乳酸は疲労物質ではなく人の身体にはなくてはならない大切な物質だということでしょうか。
この他、強度の運動時にはエネルギーを得るためにリン酸が多く出ますが、リン酸はカルシウムと結びつきやすく筋が収縮するのに必要なカルシウムの働きが悪くなり疲労する、と最近になっていわれています。また筋疲労との関係は分かりませんが、肉体的疲労でも精神的疲労でも増えるFF(ファティーグファクター)というタンパク質が疲労原因物質ではないかといわれています。近々このFFとFR(ファティーグリカバーファクター)について書こうと思います。
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春美 (月曜日, 20 10月 2014 20:09)
運動は、身体だけではなく脳にもいいんですね。
なるべく歩くようにして、ラジオ体操でもしようかな。
sionseitaiin-tagajo (水曜日, 22 10月 2014 13:01)
そうですね。私も爽やかな青空の下、思いっきり走ると心身ともにリフレッシュしますね。春美さんも毎日しっかり身体を動かして下さい!