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私たちが筋肉と呼んでいるのは、一般的には骨の可動部分にくっついている骨格筋というものです。骨格筋はその収縮の特性から大きく遅筋線維と速筋線維に分けられます。速筋線維は遅筋線維よりのタイプもありさらに3つに分けるのが一般的なようです。線維の太さは0,01~0,15mm位で、長さは数mm~数十cmにもなります。その一つ一つが細胞と考えてよいと思います。ただし、筋線維は筋芽細胞というのがくっついてできた多核細胞のため分裂して新しい細胞をつくり出すことはできません。しかし、筋線維の基底膜下にある単核の筋衛星細胞が筋線維が損傷したときなどに増殖、分化融合して筋再生に重要な働きをします。
遅筋線維はミトコンドリアを豊富に含み酸素を多く使い収縮速度は遅いけれど長時間運動し続けることが可能です。疲労しにくくミオグロビン(酸素とくっつきやすい)を多く含み赤っぽい色をしているので赤筋線維とも呼ばれます。速筋線維は無酸素状態での代謝に依存し、白筋線維とも呼ばれます。収縮速度は速いのですが疲労しやすく短時間しか運動できません。瞬間的に大きな力を出すことができ、エネルギー源として糖を消費し、大きく肥大しやすい筋線維です。
筋肉はこのどちらかの線維でできているのではなく、必ず混在しています。そしてその割合は生後間もなく決まってしまうようです。
写真(国立スポーツ科学センターより)のように速筋線維が多いと(この写真では黒っぽく染まっています)陸上競技の短距離選手に向いていて、遅筋線維が多いとマラソン選手に向いています。(次の写真の白っぽく染まっているのが遅筋線維です)
この遅筋線維と速筋線維の組成は変わらないとされてきましたが、速筋線維間ではタイプの移行が可能で特に遅筋線維に近いタイプではトレーニング次第では持久力が増大することが判明しているようです。遅筋線維も筋肥大するということですがとても難しく、速筋線維のように数か月の筋トレでムキムキに変化すような変化はできないようです。
脚の筋肉では、例えば太腿の1つの筋肉をみても表皮側ではほとんどが速筋線維で深層側にしか遅筋線維がありません。なぜそのような分布になっているのかは不明だそうですが、おそらくは、それぞれの筋線維を支配する運動神経の性質とバランスの関係ではないかと推測します。そしておそらくはヒトの加齢とともに運動量が減るということに起因しているのではないかと考えます。
つまり年齢とともに先に衰えていくのは速筋線維で、筋が委縮して筋肉量が落ち、思うように動けなくなるということ…
筋肉の深層にある遅筋線維は十分な酸素と栄養があれば、しっかりと体を支えられます。筋肉の深層にある筋肉が速筋線維だけなら、体を支える筋肉が先に衰え生きていけなくなるのではないかと考えられます。
実はこの筋肉を衰えさせる物質がこともあろうに骨格筋からつくり出されるマイオスタチンというサイトカイン(生体防御、免疫機構を担う重要な物質:善者にも悪者にもなる)なのだそうです。このマイオスタチンという物質は骨格筋形成を強力に抑制して脂肪細胞を生み出すというものです。この物質の活性を阻害すると骨格筋量の増加がみられ、それとともに脂肪細胞も肥大化せず脂肪量が減少したということです。
このマイオスタチンですが阻害因子が開発されたようで、筋ジストロフィー患者への筋量増大などで病気の改善が可能ということです。
長くなるのでこの続きは明日にします。
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